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【実践Q&A 後編】AI導入の次の一手 ~ツール選定と安全活用のヒント~

AI導入の話が社内で進み始めると、新たに浮かぶのが「どのツールを使えばいいのか」「安全に活用するにはどうすればいいのか」という実務的な課題です。また、他社の成功・失敗事例を知ることで、自社が次に何をすべきか見えてくることもあります。

今回の後編では、NeuroAssistの支援現場で特に質問の多い3つのテーマ――
ツール・技術選定/セキュリティ・リスク/成功・失敗の実例を中心にQ&A形式で解説します。
すでにAIを試し始めた企業が「運用段階」でつまずかないための、具体的なヒントをまとめました。

ツール・技術選定に関するQ&A

Q1. ChatGPT、Gemini…結局どれを使えばいい?

最適なAIツールは、「自社の業務内容と使う人のリテラシー」によって変わります。
たとえば ChatGPT は汎用性が高く、文章作成や議事録要約、メール文面など“言語を扱う業務”に強みがあります。
一方、Gemini(旧Bard) はGoogle Workspaceとの連携性に優れており、
ドキュメントやスプレッドシートを日常的に使う企業に向いています。

このほかにも、資料作成に特化したAI、要約が得意なAI、画像やデザインを生成するAIなど、用途ごとに特化型ツールが多数存在します。
重要なのは、1つのAIに頼り切るのではなく、業務内容ごとに最適なツールを組み合わせて使い分けることです。
これが、実務で成果を出すうえで最も現実的で効果的なアプローチです。

Q2. 無料のAIと有料のAIの違いは?

無料版と有料版の最大の違いは、「安定性」「精度」「セキュリティ」の3点にあります。
無料のAIは手軽に使える一方で、処理性能や機能が制限されており、出力のばらつきや情報の更新遅れが起きやすい傾向があります。
また、多くの無料環境では入力した内容がAIの学習データとして利用される可能性があり、社内機密や顧客情報の入力には不向きです。

業務で安心して使うには、有料または法人向けプランの利用がほぼ必須です。
たとえばChatGPTの場合、法人契約プラン(ChatGPT Team/Enterprise)を利用することで、
最新モデルの安定利用や学習遮断、アクセス権限の管理が可能になります。
無料版はあくまで「試験導入」や「個人の学習用途」として活用し、本格的な業務利用はセキュアな有料環境での運用が基本です。

Q3. AIを使うにはプログラミング知識が必要ですか?

多くのビジネス現場では、プログラミング知識は不要です。
最近の生成AIはノーコード・ローコード化が進み、テキストで指示を出す(=プロンプトを入力する)だけで十分に操作できます。
実際に必要なのは、コードの知識よりも「AIに的確に指示を出す力(プロンプト設計力)」です。

ただし、社内システムとの連携や自動ワークフローの構築など、より高度な運用を行う場合は、
エンジニアや専門パートナーのサポートが有効です。そのため理想的なのは、
社内では“AIを活用できる人材”を育て、仕組みの構築や連携部分は外部の専門チームに委託するハイブリッド体制です。

NeuroAssistでは、このような体制づくりを見据えた導入支援や運用サポートも行っていますので、安心してお任せください。

Q4. AIの回答精度を上げる方法はありますか?

AIの回答精度を高めるには、「プロンプト設計」「データ品質」の2つが鍵です。
AIは曖昧な指示に弱いため、目的・条件・出力形式を明確に伝えるだけで、精度が大きく向上します。
たとえば「この会議の要点を3行でまとめて」や「提案文を営業向けに書き直して」など、具体的な条件指定が有効です。

さらに、社内マニュアルやナレッジ資料などの自社データをAIに参照させることで、自社業務に即した“正確な回答”を得ることができます。
出力結果をチェックしながら、良いプロンプトやテンプレートを蓄積していくと、組織全体のAI運用レベルが安定していきます。
AIは「学習させるもの」ではなく、「活用ノウハウを積み重ねて育てるツール」です。
日々の使い方の改善こそが、最も確実な精度向上の近道です。


セキュリティ・リスクに関するQ&A

Q1. 社内機密情報をAIに入力しても安全ですか?

AIに入力した情報の安全性は、利用する環境(ツールの種類)によって大きく異なります。
無料版や個人アカウントでは、入力内容がAIの学習データとして利用される可能性があり、社内機密や顧客情報を扱うにはリスクがあります。

一方で、企業向けのChatGPT法人プランなどでは「学習遮断」機能が備わっており、入力データが外部に流出することはありません。
加えて、通信の暗号化やアクセス権限の設定によって、第三者による閲覧を防ぐ仕組みも整っています。

とはいえ、ツールの安全性だけに頼るのは危険です。
社内では、「誰が・どの目的で・どんな情報を扱うか」を明確に定めた利用ルールを設け、全社員がその内容を理解している状態をつくることが重要です。
AIの安全利用は、技術だけでなく運用体制の整備によって守られます。

Q2. AIの回答に誤りがあった場合、責任は誰が取るのですか?

AIの出力内容に対する最終的な責任は、あくまで人間側(利用者)にあります。
AIは確率的に最も適切と思われる回答を導きますが、事実確認や倫理的な判断までは行いません。

そのため、業務でAIを活用する際は、AIを“サポート役”として位置づけ、人間が常に最終判断を行うというルールを明確にすることが重要です。
具体的には、AIの出力を“下書き支援”や“アイデア補助”として活用し、最終確認と意思決定は必ず担当者や責任者が行う仕組みを整えましょう。

AIに「最終判断を任せない」ことこそが、安全で健全なガバナンス運用の第一歩です。

Q3. 法令遵守(個人情報保護法・著作権)への対応は?

AIを業務で活用する際は、個人情報保護法と著作権の遵守が非常に重要です。
まず、氏名・住所・メールアドレスなど、個人を特定できる情報は原則としてAIに入力しないルールを徹底しましょう。
一見問題なさそうな情報でも、複数の要素を組み合わせると個人が特定されるリスクがあります。

また、生成AIが出力する文章や画像は、既存の著作物と似た表現を含む場合があります。
そのため、商用利用や公開用途では、出力内容のオリジナリティを確認することが必須です。
特に画像やコピーライティングなど、他社作品に近い要素がないかをチェックする運用体制を整えましょう。

AIを安全に活用するには、「入力ルール」と「出力チェック体制」の両方を整備することがポイントです。

Q4. 社内ルールとしてAI利用ガイドラインを作るべき?

はい、AI利用ガイドラインは必ず策定すべきです。
AI活用が進むほど、「誰が・どんな情報を・どのAIで・どこまで扱えるか」を明確にしておく必要があります。
最低限でも、

  • 利用目的
  • 入力禁止情報
  • チェック体制
  • 責任の所在

といった基本方針を定めたAI利用ガイドラインを整備しておきましょう。
AI利用ガイドラインは“利用を制限するため”ではなく、“安心して活用を広げるための土台”です。
弊社では、さまざまな業種・規模の企業に対応できる共通ガイドラインのひな型をご用意しており、そこから自社に合わせたルール策定を一緒に検討していくことが可能です。

さらに、導入初期に社内説明会や研修を実施し、実際の運用ルールを全社員に浸透させることで、リスクを最小限に抑えられます。
NeuroAssistでは、こうしたポリシー設計から社内展開までを一貫してサポートしています。


成功・失敗の実例に基づくQ&A

Q1. 他社ではどのようにAIを活用していますか?

AIの活用は、今や業界を問わず広がっています。特に効果が大きいのは、「情報整理」と「コミュニケーションの効率化」です。
たとえば建設業では、議事録や見積書の自動作成。小売業では、在庫データをもとにした販売予測。サービス業では、問い合わせ対応の自動化などが進んでいます。

共通しているのは、AIを単体で使うのではなく、既存業務の流れに自然に組み込んでいる点です。
NeuroAssistを導入している企業でも、Excel集計、議事録作成、メール返信など、日常の業務プロセスの中にAIを溶け込ませることで、確実な成果を上げています。

AI活用は“新しい仕組みをつくること”ではなく、“今ある業務をよりスマートにすること”から始まります。

Q2. AI導入で失敗する企業の共通点は?

AI導入がうまくいかない企業に共通して見られるのは、「目的が曖昧」であること、そして「責任の所在が不明確」であることです。AIを導入しても、“誰のどの業務をどう改善するのか”がはっきりしていなければ現場は動けず、結果としてツールが定着しません。

さらに実務上よく起きるのが、導入後の教育やフォローが不足し、活用方法が社内に浸透しないケースです。たとえば、使い方のレクチャーがない、ログイン情報が適切に管理されず「ログインが面倒」という理由で使われなくなるなど、運用面でのつまずきが定着を妨げます。

一方、うまくいっている企業は、経営層・現場・IT部門が連携し、業務プロセスを整理したうえで、「AIに任せる作業」と「人が判断すべき作業」を明確に分け、運用ルールや教育体制まで整えています。
導入後の運用設計や成果の見える化まで含めて取り組むことで、現場との乖離を防ぎ、スムーズな定着につながっています。

つまり、AI導入そのものを目的化するのではなく、業務設計の再構築と運用プロセスの整備をセットで行うことが、成功する企業の共通点と言えます。

Q3. 現場の抵抗を減らすコツはありますか?

現場での抵抗の多くは、「AIに仕事を奪われるのでは」という不安から生じます。
まずは、AIは人の代わりではなく“業務を支援するパートナー”であることを明確に伝えることが大切です。
AIの目的は人を減らすことではなく、判断の質を高めたり、時間を生み出して創造的な仕事に集中できるようにすることです。

導入初期は、全社的な一斉導入ではなく、希望する部署からパイロット運用を行い、成功事例を共有していく形が効果的です。
この段階で、成果を「時間削減」ではなく「生まれた時間で本来業務に注力できた」といった前向きな言葉で伝えることで、現場に安心感と納得感が生まれます。

AI導入の定着は、技術よりも社内コミュニケーションの設計が鍵です。

Q4. “業務効率化”だけでなく“新しい価値創造”に繋げるには?

AI活用の次のステップは、「AIで生まれた時間をどう使うか」にあります。
たとえば、マーケティングチームが分析AIで得たデータをもとに新しい顧客体験を企画したり、営業チームがAI生成の提案書をもとに顧客課題を再定義したりといった活用が考えられます。
また、議事録作成や資料整理などの事務業務が短縮されたことで、顧客対応や商品企画など“本来の業務”に時間を割けるようになったという例もあります。

AIによって削減された時間やリソースを、新しい価値を生み出す業務へ再投資する発想が重要です。
つまり、AI導入はゴールではなく、「新しい価値を生み出す余白をつくるプロセス」なのです。
ここにこそ、AI時代における企業競争力の本質があります。


AI活用を“安全かつ継続的に”進めていくには、技術選定やルールづくりだけでなく、運用の見える化が欠かせません。
小さな成功体験を積み重ね、組織全体でAIを育てていく意識こそが、成果を継続的に生み出す原動力となります。

NeuroAssistでは、AI導入後の運用支援や安全設計、最適なツール選定のご相談にも対応しています
「どのツールが自社に合うかわからない」「セキュリティ面を整理したい」などのお悩みがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

著者プロフィール
川腰
SUPERNET digital株式会社 AIコンサルタント

石川県金沢市のSUPERNET digital株式会社で、NeuroAssistを中心としたAI導入支援や業務改善のコンサルティングを担当。
AIを取り入れることで、人が本来の強みを活かせる仕事に集中でき、価値創造の時間を取り戻せる――その未来に強い魅力を感じ、現場の伴走に力を注いでいる。
企業ごとの課題を丁寧に捉え、現場の空気感になじむ“使えるAI活用”をご提案するのがモットー。

📩 少しでも気になった方は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
SUPERNET digitalのAIコンサルタントが、最初の一歩をしっかりサポートいたします。

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