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【実践Q&A 前編】AI導入のコツ ~ 社内に根づかせるための第一歩~
AIを活用した業務改善が広がる中で、「どこから始めればいいのか」「本当に現場で使いこなせるのか」と悩む企業は少なくありません。
多くの経営者やマネージャーが直面しているのは、“AIを導入する”ことではなく、“どう根づかせるか”という課題です。
今回の特集では、NeuroAssistがこれまで企業の現場を支援する中で寄せられた質問の中から、特に多かったテーマを厳選。「現場での導入」「業務設計」「組織としての受け入れ方」など、AIを社内に浸透させるためのリアルなQ&Aをお届けします。
初めての導入を検討している方にも、すでにAIを試している方にも役立つ、実践的なヒントが詰まっています。

AI時代の働き方と導入の考え方
Q1. AIが進むと、人の仕事はどう変わりますか?
AIの進化によって「なくなる仕事」よりも、「形を変える仕事」が増えます。
単純な事務処理や定型業務は自動化されますが、人にしかできない判断・共感・創造の領域はむしろ重要性が高まります。
特に、AIをうまく活用して新しい価値を生み出す人材が求められるようになるでしょう。AIは敵ではなく“相棒”です。人が創造的な仕事に専念できる環境をつくるための、業務再設計が経営課題になります。
Q2. AIを導入するタイミングは「今」が正解ですか?
現時点(2025年)では、“検証フェーズとしての導入”に最適な時期です。
AI技術は成熟しつつあり、各種ツールのコストも下がっています。
一方で、すでに導入した企業との差は拡大し始めており、待つほど「AIリテラシー格差」が生まれます。小さなスコープで実証実験を行い、自社にフィットする運用モデルを探る理想的なタイミングです。
Q3. AI活用によって本当に業績は上がるのでしょうか?
AI活用による業績改善は、適切な業務選定と運用ルールが整っているかに左右されます。
単にツールを導入しただけでは効果は限定的ですが、「判断の迅速化」「人件費の削減」「顧客対応品質の均一化」などで確実に成果を出す企業も増えています。
例えば、営業資料の自動生成や顧客問い合わせ対応をAIで行うことで、1人あたりの生産性が数十%向上する事例もあります。
重要なのは、“AI導入そのもの”ではなく、“業務の設計変更”まで踏み込むことです。
Q4. AIが経営判断を代替する未来は来ますか?
完全に代替することはありません。
AIは膨大な情報処理や分析に優れていますが、“意思決定の背景にある価値観や倫理観”までは理解できません。
今後のAI経営は「AIが選択肢を提示し、人が最終判断する」形が主流になります。
経営者は“すべてを判断する人”から、“AIを活かしてより高次の判断を行う人”へと役割が進化していくでしょう。まさにAIと共創する時代です。
AI導入の現実と人・組織の課題
Q5. AIを導入する企業が増えていますが、どこから手をつけるべきですか?
最初の一歩は「AIで何を解決したいのか」を明確にすることです。
多くの企業はツール導入から入りますが、実際には業務課題の特定と優先順位づけが最重要です。
まずは「社内のどの業務が属人的で時間を取っているか」「AIで置き換えやすい定型業務はどれか」を洗い出しましょう。
NeuroAssistでは、この“課題の棚卸し”からクライアントと共にスタートします。「どの業務をAI化したいか」「それはどのツールならどのようにAI化されるのか」といった検証を行ってから導入するため、無駄な投資を防げます。
Q6. 社員のAIスキルがバラバラでも導入できますか?
問題ありません。むしろ、多くの企業が同じ課題を抱えています。
重要なのは「AIツールを使いこなすこと」よりも、「どんな場面でAIを使えば良いか」を全員が理解することです。
まずは一部の業務でAIを活用し、その成果を共有して“社内成功体験”を作ると効果的です。
NeuroAssistでは、毎月のAIミーティングを通して段階的にスキルを底上げしたり、現場の理解度に応じてミニセミナーを開催したりしています。
Q7. 若手とベテランでAIに対する意識が違うのはなぜ?
背景にあるのは「業務経験と成功体験の差」です。
若手は新しいツールへの抵抗が少なく、“まず試してみる”姿勢があります。
一方でベテラン層は、従来のやり方に熟練しているため、変化の必要性を感じづらい傾向にあります。
このギャップを埋めるには、“AIを使う目的”を共通言語にすることが重要です。
たとえば「作業時間の短縮でお客様対応に時間を使える」といった、誰もが納得できる価値で浸透を図りましょう。
Q8. 管理職がAIに疎いと、部下が育たないって本当?
ある意味で“本当”です。
管理職がAIを理解していないと、部下の提案や試行錯誤を正しく評価できず、現場の挑戦意欲を削ぐ結果になります。
リーダー自身がプロンプトを試してみたり、AI活用で業務効率を体感することが、チームにとっての説得力につながります。
AI導入はプロジェクトではなく文化改革。
上層部が積極的にAIに触れ、失敗も含めて共有する姿勢が、組織全体のAI浸透スピードを左右します。
現場でAIを使いこなすためには
Q9. どんな業務からAI化するのが効果的ですか?システム化とは違うのですか?
AIとシステム化(自動化)は得意分野が少し違います。
たとえば、ルールが決まっていて毎回同じ手順で進む仕事は「システム化(RPAなど)」が向いています。
一方で、言葉を扱う・まとめる・考えるといった“人の判断が関わる仕事”は「AI化」に向いています。
たとえば――
- AI化しやすい仕事:メール文の下書き、議事録の要約、FAQやレポートのたたき台作成
- システム化が向く仕事:データ入力、集計、請求処理などルールが決まっている作業
まずは「時間がかかる」「判断基準がある程度明確」「失敗しても大きな影響がない」業務から試すのがおすすめです。
AIで成果が見えると、他部署にも広がり、自然に“AIを使う文化”が社内に定着していきます。
Q10. 社内でAIを使わせても“うまく活用されない”のはなぜ?
多くの場合、原因は「目的の曖昧さ」と「現場の心理的ハードル」です。
“AIを使うこと自体”が目的になっていると、現場は「なぜ使うのか」を理解できずに離れてしまいます。
成功している企業は、明確な目標(例:議事録作成の業務をAI化し30%時間削減など)を設定し、成果を数字で可視化しています。
さらに、社内にAI推進担当を配置して、現場の相談窓口をつくることで活用率が大きく向上します。もちろん、NeuroAssistのサポートへのご相談も可能です!
Q11. ChatGPTのような生成AIを“業務で安全に”使うには?
まず大切なのは、「どの環境で使うか」です。
ChatGPTの中でも企業向けプランでは、入力したデータが学習に利用されない仕組みになっており、セキュリティ面で安心して使えます。
一方で、無料版や個人アカウントでは、入力情報が学習や外部保存に使われるリスクがあるため、業務利用には不向きです。また、社外秘の情報(顧客データ・契約内容・内部文書など)はAIに入力しないルールを社内で明確に定めましょう。
社員が個人アカウントで業務に使っていると、退職時に入力内容が持ち出されてしまうなど、思わぬ情報漏洩につながる可能性もあります。
AIの導入は個人任せにせず、会社全体でルールを整え、安全な利用環境を統一的に運用することが重要です。
Q12. AIを活用できるチームをどう作ると良いですか?
ポイントは「AI推進を担当する中心人物を置くこと」です。
AI活用を全員任せにすると、最初は盛り上がってもすぐに失速します。
“AIアンバサダー”や“推進チーム”を設け、情報共有・成功事例の発信・トラブル対応を一元化しましょう。
また、チーム単位で目標を設定し(例:月5時間の業務短縮)、成果を見える化することで、社内のモチベーションも高まります。
AI活用は「個人戦」ではなく「組織運営の仕組み化」が鍵です。
NeuroAssistを導入した企業では、まず経営陣がAIを実際に体験し、活用のイメージを持ってから、各部署に“AI推進担当”を立てて展開する方法が効果的です。経営と現場の両輪で進めることで、AI活用が継続的に定着します。
AI導入を成功させる鍵は、ツールの性能ではなく、「人とAIが共に働く仕組み」をどう設計するかにあります。
現場に合わせて小さく始め、効果を見える形で共有することが、AIが自然に根づく第一歩です。
次回はもう一歩踏み込み、
「ツール・技術選定」「セキュリティ対策」「実際の成功・失敗事例」など、
導入後に欠かせない実務的なポイントをQ&A形式でご紹介します。
AIを“導入して終わり”にしないためのヒントを、ぜひお楽しみに!
NeuroAssistでは、AI導入の初期設計から運用サポートまでを一貫してサポートしています。
「自社でどの業務がAI化できるのか知りたい」「まずは相談してみたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
著者プロフィール

川腰
SUPERNET digital株式会社 AIコンサルタント
石川県金沢市のSUPERNET digital株式会社で、NeuroAssistを中心としたAI導入支援や業務改善のコンサルティングを担当。
AIを取り入れることで、人が本来の強みを活かせる仕事に集中でき、価値創造の時間を取り戻せる――その未来に強い魅力を感じ、現場の伴走に力を注いでいる。
企業ごとの課題を丁寧に捉え、現場の空気感になじむ“使えるAI活用”をご提案するのがモットー。
📩 少しでも気になった方は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
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